当教室では、トレーニングの効果を高めるために鼻うがいを推奨しています。
ここでは、インターネット上にある鼻うがいについての情報をまとめました。
実施にあたっては、必ずご自身の判断において行ってください。(自己責任)
目次
鼻うがいの準備(重要)
水
清潔な水を約40℃に温めます。
水道水を使う場合は、一度沸騰させて滅菌します。
余った水道水は24時間以内に使い切りましょう。
塩水の作り方
使用する水に塩を入れて溶かします。
当校では、『伯方の塩』等の天日干し塩をお勧めしています。
化学的に精製された食塩よりも鼻あたりがまろやかです。(興味がある方は比較してみてください。)
塩水の濃度は0.9%、1Lの水に対し、小さじ1.5杯の塩が目安です。
鼻に塩水を入れると染みるのでは?と思う方いらっしゃると思いますが、実は逆です。
鼻粘膜との浸透圧の関係で、真水を入れると染みます。
染みないためには、鼻粘膜の濃度と同じ塩水で行う必要があるのです。
容器
清潔な容器を準備します。(容器については、下記、鼻うがいの方法を参照)
容器によっては複雑な形をしているものがあります。
汚れが残らないよう、使用後は毎回きれいに洗い、しっかり乾燥させます。
汚れが残っていたり、濡れたまま保管すると、雑菌が繁殖しやすくなります。
鼻うがい(入れ方)
容器に必要量の塩水を入れます。
軽く頭を下げた状態で、各方法に従い鼻の中にゆっくり塩水を入れていきます。
塩水が鼻の中に入っている状態で、頭を上げない(見上げない)ように注意します。
また、粘膜を痛めたり、中耳炎になる恐れがあるので、必ずゆっくりと入れてください。
鼻から出す場合は、「えーーーー」と言いながら入れると出しやすいそうです。
鼻うがい(出し方)
初めての方は、塩水を入れた方の鼻の穴から出します。
慣れてきたら、逆の鼻の穴からも出してみましょう。(無理に出そうとしないこと)
さらに出来そうな人は、鼻の中を通して口から吐きます。
口から吐くのは難しいので、できるようになるまで2週間程度はかかると思ってください。
また、鼻の奥から口の中に落ちてくるときに「ごっくん」したくなりますが、鼻の中に溜まっている塩水が耳の方に流れていきやすいので、絶対に「ごっくん」してはいけません。
鼻の中に残った水の処理
鼻うがいをした後に、副鼻腔などに少し水が残ってしまうことがあります。
まずは、うつむく角度を変えたり、頭を左右に傾けるなどして、自然に流れ出てこないか試しましょう。
なかなか出てこないときは、深くうつむいたまま軽くゆっくりと鼻をかみます。
勢いよく瞬間的に鼻をかむと耳に負担がかかる恐れがあるので、必ず軽くゆっくりとかんでください。
次に、頭を垂直に立ててまた軽くゆっくりと鼻をかみます。
これを2~3回繰り返します。
無理に全部取り切ろうとしなくても大丈夫です。
日常生活の色んな動きの中で、不意に流れ出てきますので、心配いりません。
その他注意事項
鼻うがいは1日1~2回程度が推奨されています。
おすすめは、朝の洗面等と合わせて、夜の入浴と合わせて、の2回を習慣化することです。
回数を多くしすぎると、粘膜を痛めてしまう可能性があります。
また、鼻うがいをした直後は、粘膜が無防備な状態になります。
空気が乾燥した場所や、ほこりっぽい場所、人ごみなどに行く際は、念のためマスクなどで防御するとよいでしょう。
また、鼻うがいは花粉症、風邪、インフルエンザ等の予防として大変有効ですが、発症して粘膜が炎症を起こしたり異常を感じるときは、中断してください。
症状の回復に合わせて徐々に再開することをおすすめいたします。
代表的な鼻うがいの方法
シリンジで注入
シリンジとは、注射器の先が針ではなくノズルになっているものです。
ノズルを鼻に差し込み、ピストンでゆっくり確実に注入できます。
下を向きながら注入すると、口からも出しやすいです。
形状が複雑で清潔管理が難しいのと、ピストンのゴム部分は洗剤がつくと滑りが悪くなります。
基本的に1回使い切りと考えた方がよさそうです。
ボトルで注入
ドレッシングのようなボトルに塩水を入れ、ノズルの部分を鼻に差し込みます。
手でボトルをプッシュすることで、鼻の中に注入します。
注入はシリンジ同様確実かと思います。
容器は比較的洗いやすいですが、ノズル部分は特によく水を通し、清潔にしておく必要があります。
コップを使う(Kiss Music)
コップに塩水を入れます。
少しうつむいた状態で、コップのふちを片方の鼻の穴の下に当てます。
逆側の小鼻を指でおさえて穴をふさぎ、空いた方の鼻の穴が完全に塩水に浸かるまで、コップを少しずつ傾けます。
塩水をゆっくり吸い上げていきます。
家庭にある容器で手軽にでき、清潔管理も楽です。
コップの水が少なくなってくると、顔が垂直に立ちやすくなるので注意が必要です。
Kiss Musicではこの方法を紹介しています。
洗面器を使う(高松ボイトレ)
顔がすっぽり入るくらいの大きめの洗面器に塩水を入れます。
片方の小鼻を指でおさえて穴をふさぎ、空いた方の鼻の穴が完全に塩水に浸かるように洗面器に顔を近づけます。
空いた方の鼻から塩水をゆっくり吸い上げていきます。
容器が大きいので満足するまでしっかりとできます。
顔をしっかりと下げた状態で吸えるので、口に水が落ちやすいです。
容器が大きいので清潔管理が楽です。
高松ボイストレーニングではこの方法を紹介しています。
市販の鼻うがい専用容器・薬液を使う
Amazonでの『鼻うがい』の検索結果はこちら
各商品の用法をご確認の上ご使用ください。
死亡事例について
沸騰滅菌と清潔管理が重要
脳食いアメーバによる死亡事例がアメリカで数件発生しており、鼻うがいとの関連が報告されています。
記事によると、死亡に至った原因として、『汚染された水道水』を『ネティポット』で使用していたとのことです。
まず、日本の水道水の水源にこの脳食いアメーバが含有されているのか、という点がなんとも不明確なのでどの程度警戒するべきか難しいところではあります。
『日本の水道水は塩素消毒されているので安全』との意見もインターネット上で散見されます。
また、ネティポットは日本のお茶を入れる急須のような複雑な形をしていて、清潔管理不足からアメーバが繁殖したのではないか、との記述もありました。
要するに、『清潔な水(蒸留水、精製水など)、または一度沸騰させた水道水を使用する』、『容器はよく洗いしっかり乾燥させる』ことで回避できるリスクであるということです。
温泉や井戸水等、蛇口から出てきても公共の水道水でないものは使用しない方がいいと思います。
このあたりの判断はあくまでご自身でお願いいたします。
医師も基本は肯定の論調
医師の方たちの意見をみても、適切な方法で清潔に行えば鼻うがい自体は有効との論調が多いですので、情報の断片に踊らされず、冷静に対処していく必要があると思います。
どうしても不安な方は、市販の容器・薬液等を使用されることをお勧めいたします。
今後も、みなさんにとってためになる情報を、出来るだけ分かりやすく提供していこうと思います。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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