みなさん、こんにちは!
高松オンラインボイストレーニング、共鳴トレーナーの田村です。
『頭式呼吸』の観点からすると、やはり歌が一番呼吸の負荷が高く、効率的なトレーニングになると考えられます。
一方、滑舌の観点からはゆっくりな歌よりアップテンポの歌の方がスピードが求められていいトレーニングになります。
さて、今日は、生徒さんからの質問に関連して、共鳴ボイトレ法の基礎トレーニングと頭式呼吸の関係性について説明いたします。
一般の読者の方には難しい話かもしれませんが、今後もし実際にトレーニングされる機会があれば、「確かそんな記事あったな~」と思い出してみてくださいね。(そのときはそのときでまた言いますから結局忘れても大丈夫!)
共鳴ボイトレ法のトレーニングには段階があります。
まず、みなさん共鳴が口の位置に下がった状態からスタートされます。(以前、実験しましたね!)
下あご、下唇を使って言葉を作っている状態で、ピッチ(音程の精度)は若干低く歌っています。
トレーニングの最初の目的は、共鳴を上げることで、ピッチを合わせること。
そのために、下あご下唇ではなく、上あごより上の筋力(表情筋)を使って言葉を作る習慣を作ります。
そうすると、共鳴が筋力に引き寄せられて上がってくる=ピッチが合ってくるという仕組みです。
これでトレーニングの最初の目標達成です!
では、このことがどう頭式呼吸につながっていくのか。
頭式呼吸の目線で基礎の筋力トレーニングをみると、固まっている筋肉をほぐして空気の通り道を作っているという解釈になります。
普段使われなくて固まっている筋肉は、使ってあげることでだんだん柔らかくなってきます。
そして、筋肉がほぐれるとそこは空気の通り道になります。(実際に空気が通っているかのような感覚が得られます。)
もう少し具体的に言うと、表情筋の内側には副鼻腔があります。
基礎トレーニングで表情筋を動かして言葉を作ることで、副鼻腔周辺の筋肉が柔らかくなります。
そうすると、副鼻腔に通じる経路が開いて、副鼻腔にも空気が通る下準備ができてきます。
これで二つ目の目標クリア!
そして、仕上げの頭式呼吸。
頭式呼吸のトレーニングは動ける状態になった副鼻腔に、実際に空気を吸いながら動きを教えてあげるトレーニングと言えます。
副鼻腔周辺の筋肉が呼吸に合わせて動けることを思い出すと、普段の呼吸から自然と反応するようになってきます。
あとはひたすら、筋肉をほぐす⇒空気を通す⇒筋肉をほぐす⇒空気を通す・・・と繰り返して、頭式呼吸=人間本来の100%の呼吸機能に近づいていくのです。
頭式呼吸の最終段階に入ると、共鳴は点から面へ広がっていきます。
面へ広がると、点の時のように目線が固定されることはなく、むしろあちこちに目線が飛び回るようになります。(いろんなところが同時に鳴っているので)
つまり、プロの歌手でも点で鳴っている人より面で鳴っている人の方がレベルが高い(空気の通りがいい)ということですね!
※第16号 2019年10月19日(土)より抜粋
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